無料の出会い系アプリが全く出会えなくなり、優良の出会い系アプリだけが「まともな出会い系」として残っている現状。
これは、「出会い系アプリの運営」がいたかどうかでの差だと言っても過言ではありません。
しかし、出会い系アプリの運営が何をしているかはあまり知られていません。
今回は、出会い系アプリの運営の仕事について書いていきたいと思います。
出会い系アプリの運営は普通のIT企業
まず大前提として、出会い系アプリの運営企業とはいえ、普通のIT企業だと思ってください。
例えば、出会い系YYCの運営会社Diverseは割とベテランのエンジニアが多いIT企業で、親会社はSNS大手のミクシィです。
出会い系アプリと言うよりマッチングアプリになりますが、婚活アプリ最大手「ペアーズ」の運営であるエウレカも、新興のIT企業。
こちらは独立系ですが、若いエンジニアを揃えた「オシャレIT企業」という感じです。
出会い系も、サービス的にはマッチングアプリとさほど変わりません。
要は、インターネットサービスで、使いやすいインターフェースや、堅固なセキュリティ(自前ではなく作ってもらう発注を含む)をしているわけです。
さらにいえば、経理や人事、営業等もあります。(普通より小規模であることが多いですし、管理部等にまとめているパターンもありますが)
これを読んでくださっているあなたも、会社にお勤めであればこれらの機能があるはずです。
当然ですが、それらの部署でやっていることは普通の企業(メーカーとかアプリ開発会社とか)とほとんど同じだと思います。
出会い系アプリの運営では広告費と業者対策費が大きい
ここまで述べてきたとおり、ほとんどの範囲においては、出会い系アプリの運営は普通の企業と何ら変わりません。
しかしながら、全てが同じではありません。
そして、この「違う部分」こそが、無料出会い系と有料出会い系の明暗を分けた部分であるともいえます。
それが、広告費と業者対策費です。
出会い系企業では、売り上げ規模に対し、この二つの費用が大きいです。
出会い系アプリの広告業務とは
出会い系アプリの運営で特異なことは、とにかく「怪しい」ということでしょう。
ゲームアプリのように「ちょっとやってみようか」でやってくれる人がいませんので、認知度を上げる活動(=広告宣伝業務)は欠かせません。
特に、警戒心の強い「女性」を集めるのが難しい。
女性さえ集めれば、男性は「女に会えるアプリがあるらしい」ということでどんどん登録してくれます。
ですので、継続的な女性誌(ファッション誌からレディコミまで)への広告が必要です。
さらにいえば、ターミナル駅での看板も、一定の継続費用(リース費用)が掛かります。
このほかに、大きな費用ではないですが、ティッシュやうちわ配布、宣伝カーなどの広告も行います。
これは、一般的な企業の「広報部」とは少しやっていることが違うかと思います。
出会い系アプリの業者対策業務とは
もう一つの出会い系アプリの運営で特有の業務は、「業者対策業務」です。
これは、出会い系ユーザーであればよく分かるかもしれません。
出会い系アプリには、以下のような「業者」が出会い系アプリの意図とは無関係に、外部から入って来ます。
- 援デリ業者(=要は買春業者)
- 個人情報収集業者(=メアドリストを作成し、売り飛ばす)
- 他サイト誘導業者(=広告料目当て、もしくは悪質な自サイトに誘導する)
こういった「業者」がユーザーの敵であるのは明らかですよね。
実は、業者はユーザーだけでなく出会い系アプリ運営者の敵でもあります。
ユーザーからの評判が悪くなり、収益が減ります。
これは当たり前としても、「援デリ業者」を放置すると「売春ほう助」になります。
実際、2015年にハッピーメールの社長が「業者放置」により「売春ほう助」で捕まっています。
ちなみに、この時は社長だけでなく社員まで捕まっています。
自分で買春やら違法行為をしたのではなく、「見てみぬふりをしただろう」ということで、です。
業者の排除は、出会い系アプリの運営にとって「やっているふりをしとけ」という仕事ではありません。
「自社の評判や自分の逮捕までかかった最重要業務」なんですね。
出会い系アプリの運営まとめ
というわけで今回は、出会い系アプリの運営について書きました。
以下にまとめておきます。
- 出会い系アプリの運営会社は、基本的に普通のIT企業
- 広告費がバカ高く、継続的に女性誌等への広告(女性集め)をやっている
- 業者対策の人件費も高く、365日体制で業者の排除を行っている
以上が、出会い系アプリの運営の特徴です。
あなたの参考になれば幸いです。